はつり工事とは、コンクリートやアスファルト舗装などを「削る」工事のことです。
はつり・・・「斫り」と書きます。
例えばリフォームなどで一部の壁だけを壊そうとなると、意外と難しい工事になります。
それはコンクリートが不必要に割れないようにしつつ、跡が目立たないよう整えなければならないからです。
どこまで削っていいか、どの方向から削るか、そして鉄筋をどう取り除くか。経験をもとに、現場の状況を見極めつつ判断しなければなりません。
また、建物を解体して更地にするにしても同様です。建物の解体順序を間違えれば足場が崩れてしまい作業員の事故に繋がる危険性がありますし、
高所からの破片落下事故などのおそれも考えられます。木造住宅であっても基礎部分にはコンクリートを敷いていることが少なくありません。
そのためコンクリートをどう壊していくか、はつり工事の知識と工程が必要になるのです。
◆必要な状況とは?
・建物や基礎を解体する場合
建物の解体にははつり工事の知識が必要になります。とくに住宅地などでは住宅が密集していることが多く、
慎重な作業が求められることも理由です。
・柱などを埋め込む場合
たとえば駐車場に屋根を設置する状況を考えてみましょう。屋根を設置するには支えるための柱が必要になるため、
駐車場に設置することになります。このときできるだけ丈夫にするため、
駐車場の隅に穴を掘って柱を深く埋めます。駐車場が舗装されている場合、
この穴を掘るために一部をはがす必要があるでしょう。このとき必要になるのが「はつり工事」です。
・舗装をやり直す場合
コンクリートやアスファルトの舗装が古くなってきているので、
一度舗装をやり直したいということも少なくないでしょう。
この場合そのまま上に舗装するという手もありますが、通常は一度コンクリートやアスファルトを
はがしてから工事に入るでしょう。この作業も「はつり工事」です。
・配線のための穴を開ける場合
鉄筋コンクリート造りの建物の場合、配管部分はあらかじめ考慮されてコンクリートが流し込まれます。
しかし後から追加で通す必要が出てくると、コンクリートに穴や溝を開けなければなりません。
こうした穴を開ける対応にはつり工事の技術が必要になります。